技術と仁義

以前X(Twitter)で投稿して反響のあった投稿を転記しておきます。

原文のままで読みやすいよう改行と余白だけ足しました。

引用やリプライは投稿をご覧ください。

金曜の夜は誰も読んでないから、くだらない長文を投下しておくか。

先日協力工場で起きた加工ミス。

材料費で数十万円の金額。

ウチでかぶる。

零細企業である自社にとって、利益ベースでこの金額が吹っ飛ぶのは痛い。

けど客先に対する品質と信頼には代えられない。

品質と信頼を自負する以上は。

協力工場も零細企業。

この材料費は発注した工賃より高額で、先方がかぶるのは難しいし、もし強引にでも負担させてしまうと、リスクバランスの観点から今後は仕事を受けづらくなるやろう。

代わりに不良品になった加工品の、途中までかかった工賃はお支払いできないことを伝える。

また何か手伝ってもらえることで助けてもらおうと思う。

その内容で先方社長へ電話した。

要点を伝えた瞬間、安堵の雰囲気が伝わってきた。

当然、当社の決算書には反映されてくる。

自分は、他社と、まして自分のところより小さい規模のメーカーに対し不和や不義になることはしたくない。

こんなことをしてるから利益は増えず、金融機関や客先から、儲けが少ないとお叱りを受けるんやろう。

だから自分は経営者としては落第なんやと思う。

小規模製造業では毎日こういう葛藤がある。

技術と仁義みたいなものが実はセットになっている。

後工程を担うメーカーはリスクとも戦っている。

誰しも失敗した時のリスクが高い仕事は受けたくない。

そこを無理して受けてもらうことだってある。

数値だけでは見えてこない景色がある。

商道徳や経営倫理を教わる機会は、今の社会にはあまり多くないと思う。

近年この国では、コンプライアンスコンプライアンスと発した口で、そのまま値下げの連絡をするのがビジネスとしては正解であるような定義がなされてしまったように思う。

資本主義では儲けたもん勝ちやから。

こういう話も、もうあまり人に伝わらなくなってしまったな。

きっと自分が間違ってるんやろう。

投稿は以上です。

X上で反響のあった投稿を記事にしたものを貼っておきます。

よろしければご覧ください。

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