桜咲く
木屑の染めし
春の色
映る水面に
咲くる花なし
・訳的なもの
桜が咲いている。
木屑で染めた(布は)春の色をしている。
(布を洗う水の)水面には、もう花は映っていない。
・解釈的なもの
努力が報われ、進路が開いたみなさん、おめでとうございます。
思い通りにいかなかった方も、お疲れ様でした。
試験は無情です。
外部からの四捨五入という評価を受けて、ゼロという結果を突きつけられることもあります。
桜は、とても絢爛な花を咲かせますが、植物の美しさは花が咲く咲かないに全く関係がありません。
咲く花で人間に対しての人気の大小は変わりますが、そんなことは花自身にとって、まったくどうでもいいことです。
尊重すべきは、見た目や結果や外からの評価だけではなく、その存在そのものです。
桜の木屑で染められた染め物は、まるでその花びらのごとく、麗らかな春の景色のような優しく美しい色をしています。
布が染まって洗い上がる頃には、もう花は散ってしまい、その水面に映っていないかもしれません。
その布が花を見ることは叶わないかもしれませんが、苦労して染めた染め物は散ることなく手元に残ります。
自分が結果と思っていることは、まだ過程のうちなんではないでしょうか。
必ず道は開ける。
僕はそう信じています。