スイッチが故障したPioneerのPD-F1007を修理した話

自宅で使用しているPioneerの大量にCDが収納できるプレーヤーのPD-F1007。

なんと301枚もCDが入ります。

突然壊れました。

奇跡的に修理できたので記事にしておきます。

目次

・出会い

・突然の故障

・修理を決意

・使用した道具

・修理の詳細

出会い

購入は確か2010年頃だったと思います。

兄が既に長らく使用していて、耐久性や使い勝手もよく知っていたので全く同じものを購入しました。

結婚もして、子供がお腹にいる時も、こいつでたくさん音楽を聴かせてやりました。

パコ・デ・ルシアとかセゴビアによるバッハが多かったですね。

自分がギター好きなのでギター多めで。

もちろん僕の敬愛するメタルもたっぷり聴かせてました。笑

突然の故障

そして時は流れ2025年の8月末。

突然壊れました。笑

昼間の音楽再生真っ最中でした。

お昼ご飯食べてた時かな。

「ブチッ」ゆうて急に電源が落ちたんです。

そこからは、この状況。

スイッチを押し込めば電源は入るのですが、「電源ONのまま」にならない。

ずっと押しとかんとあかん。笑

電源がONのままになる、いわゆるラッチ機能のみが壊れた状態と考えました。

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しばらくは養生テープで聴いてたんですが、アルバム1枚もちません。

ていうか3曲くらい。笑

うん、どうしよう。笑

修理を決意

まずはメーカーサイトを調べました。

Pioneerが修理対応製品リストを公表しています。

なんと載ってます。笑

でも2つ危惧がありました。

・たくさん収納したCDを全て抜いて送るのがめんどくさい

・修理費だいぶかかりそう

なので、故障内容はシンプルやし自分でやってみるか、と考えました。

これが間違いの始まりでした。笑

今考えるとメーカーに任せたほうがよかったのでは、と思います。笑

大きなメーカーの修理チームは、とんでもない技術とサポート体制をもっています。

しかも「自社製品専用の設備と部品と人員」を既に用意されているので、まずメーカーに戻すのが最善策です。

電化製品を修理してもらおうとメーカーに送って期待外れだったことは今までありませんでした。

言ってることとやってること違いますね。笑

使用した道具

先に使用した道具だけまとめておきます。

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・精密ドライバー
・プラスドライバー
・ラチェットレンチのエクステンションバー+ドリルビット
・ハンダごて
・ハンダ
・フラックス
・カッターナイフ
・ニッパー
・ラジオペンチ
・ライト
・嵩上げ用木片
・交換用スイッチ

あまりバラさない前提で進めたので、ラチェットレンチは、このタイプが必須です。

ハンダごては20Wの精密部品用から太洋電機産業(goot)のPX-335を新調しました。

後述しますが自分の技量ではハンダ吸い出し線は活用できませんでした。

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電源の延長コードも動作確認時にあると便利です。

修理の詳細

まずはお約束で開いてみます。

外側の大きめのビスを4箇所と、背面の上側のカバーに乗ってる小さいビスを3ヵ所外したら開きます。

20251027 スイッチが故障したPioneerのPD-F1007を修理した話
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見れば見るほどすごい機構。笑

アイデアも実現する技術も凄まじいです。

20251027 スイッチが故障したPioneerのPD-F1007を修理した話
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見ると、正面から向かって左奥、上の写真でいうとCDの左側にあるブラケットが奥を押しています。

電源ボタンがそこを経由して背面側の基板にあるスイッチを押していることがわかります。

しっかりラッチ機能が壊れてる。

なんとなくですが、やっぱりここが直れば元に戻りそうな気がします。

じゃあ、スイッチの外し方がわかれば。

うん。

わからん。笑

なので調べます。

出てこないんですよね。笑

ソフトウェア系のエラーやトラブルシューティング含めなんでもそうなんですが、個別のケースごとに対する解というのはなかなか見つからないです。

X(Twitter)で聞いてみるも反応は得られず。

個人ブログやSNSの投稿は、こういう時強いんです。

特にメーカーなんて責任もてないので、中身を見てもいないものに「こうしたらいいですよ」とは言えないですよね。

預かって開けてみるしかない。

そしたら当然に費用がかかる。

すると消費者側が二の足を踏む。

ここで膠着しちゃう。

一般消費者からすると「責任はこっちでもつので事例とか教えてください」というニーズが世間にはあります。

なので、こういうケースは自分もブログの記事にしたりSNSで投稿しておくことがあります。

普段助けられてるので。

結果的に誰かの助けになるかもしれないし、自分の記録としてタイムスタンプ的に使えるからです。

スマホの写真から画像の記憶だけで探すのは難しい。

SNSであればテキスト検索ができます。

テキスト+画像の記憶の方が強いです。

メーカー名や型番名も入れておくと、さらに探しやすいです。

変にネタツイートに走ってしまうと「あれ、なんてツイートしたっけ俺…」ってめちゃくちゃなるので。笑

不変な要素を盛り込んでおくと予防できます。

メーカー名や型番名は変わらないですから。

調べても出てこない以上、自力で進めます。

まずはもう原因がスイッチにあると断定。

スイッチ回りを詳しく調べます。

あまりバラすと絶対に戻せなくなる、もしくは破壊してしまうとわかっていたので、あまりバラさずに進めることにしました。

20251027 スイッチが故障したPioneerのPD-F1007を修理した話
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スイッチ「TV-3 SDL1P 4A/32A250V」と読めました。

こいつのバネが切れてるような挙動です。

とりあえず部品を探します。

部品もあまり検索で引っかからないですが、アマゾンで見つかったので買ってみます。

問題は自分が取り替えられるかどうか。笑

後日部品が届きました。

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「とうとう我が家にもスイッチが届いたで!」(Nintendo Switch2のノリで)とか子供に言いながら。笑

もし新品のスイッチにラッチ機能が備わっていれば、やはりスイッチの故障でラッチ機能が失われたと推定できると考えました。

20251027 スイッチが故障したPioneerのPD-F1007を修理した話
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やはり新品のスイッチにはラッチ機能がしっかりあります。

思いっきり海外から届きましたが、日本の商社でも取り扱わない日本ブランドの製品を海外の商社が取り扱ってくれることがありがたいです。

ということでこいつを交換していきます。

まずは目標を裏と表からしっかりと確認。

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作業ができるよう、外せるものを外していきます。

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このビス、後でめちゃくちゃ難儀します。

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コネクタはよくわからなくて、外せたのはここだけ。

もっと外した方が絶対いいんでしょうけど。

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本体と繋がっているスイッチ自体も取り外します。

劣化の可能性もあるプラスチックを割らないように。

隙間にマイナスドライバーを入れて開きながら、ずらしていきました。

スイッチを回路から取り外すのが最大の難所です。

電気関係からっきしでして、ハンダ付けの腕前としてはゲームボーイの回路改造くらいしか実績がありません。

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ハンダごてとハンダ吸い取り線はあるのですが、全然吸い取ってくれない。

またしてもTwitterで聞きます。

広がる知識と上がらない腕前。笑

原因はいろいろありそうですが、取り急ぎ新しいハンダごての調達を決定。

後日、新しいハンダごてが届きました。

念のため、再度触る前に現在でも同じ状態か確認します。

が。

電源が入らない。

おそらく前回の修理の際の入熱で回路のどこかの部品が壊れたんやと推察。

慣れている人は、もっと基板を外したりしてダメージを最小限にできるんでしょうが、自分の経験では無理でした。

ここで心が折れました。笑

しばらく放置。

視界に入るのも嫌な気持ちで、週末が終わりました。

そして次の週末。

とりあえず新しいスイッチも手元にあるし、どうせこのまま置いといても使えるようにはならない。

ダメ元でスイッチだけ換えよう、それでもダメなら廃棄も含めて検討しようと考えました。

修理の気持ちが再燃。

ということで新しいハンダごてでハンダを吸い取ろうとします。

ダメ。

溶けない。

もうここで熱による除去を諦めて、物理的な除去という凶行に出ました。

凶行を強行。笑

横からではニッパーの刃が全く当たらないので、基板に対して垂直にニッパーを立てる形で上から切るようにニッパーを入れていきます。

さけるチーズみたいな感じで。

小さくしてから折り取る。

基板にはニッパーが当たらないように気をつけながら。

最後これがまずかったのですが、外す時に端子を回してしまいました。

基板に残っているハンダが回転して、パターンというそうですが基板に印刷されている導電部分が剝げてしまいました。

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ここまで来るともう直らないと思う。笑

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とりあえずスイッチは外れました。

絶望しながら最後、その部分に橋が架かる要領でハンダをたっぷりと付けます。

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見てくださいこのクソみたいなハンダ付け。笑

恥ずかしい。笑

これ仕事で納入されたら確実にクレームつきます。笑

ここでは新しいハンダごてが活躍しました。

ワット数が大きいので溶けます。

気休めかもしれませんし、温度差が大きくなるので本当は逆にダメなんかもしれませんが、基板の裏側(部品がたくさん付いている側)に小型扇風機で冷やしながらハンダ付けしました。

そしてアカンやろなと思いながら、カバーを復元する前に電源をON。

電源が入る!

叫びました。笑

もうここで感動。

溢れる気持ち。

集まる家族。

どしどし寄せられる称賛の声。笑

流行る気持ちを抑えつつ夜ご飯を食べます。笑

ビールと日本酒もいきます。笑

娘が「わたし後で電子サーキットで遊ぶ」と一言。

そういうことやねん。

そういうことのために父はいろんなもんを自分の手で直してるねん。

涙出てくる。

そしてほろ酔いで復元を開始。笑

これがまた大変でした。

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暗いので照らしながら。

本体のプラスチック部分にクリップでうまい具合にライトを挟めました。

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スイッチも再度取り付けます。

外した時と逆の要領で。

外した時に「後でこれ戻すの難儀するやろな」と思った基板底部のビス。

めちゃくちゃ難儀しました。

工具が届かない。

ビスを据えることができない。

基板側の穴と本体側のねじ穴がなかなか揃わない。

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ドライバーの磁性でくっつけていってもダメ。

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ビスを据える用の簡易ジグを針金で作りましたがこれもダメ。

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最後は養生テープでドライバーの先にビスを仮止めして、このまま回しました。

基板をグイッと押しながらも割らないように穴を覗かせつつ。

もちろん養生テープは取るつもりやったんですが、ある程度締めると取れなくなったのでもう一緒に締めちゃいました。笑

もうこれもんですわ。

曲芸みたい。

ドライバーでビスが見えないんですよ。

これの向かって奥側のビスは全く見えない状態。

そしてもう子供も寝かさなあかんので、なんとこの状態で消灯。笑

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最後のカバー付けはランタンで照らしながら。笑

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STANDBYのランプがなぜか消えていますが、直ったので全然気になりません。笑

家族からの賞賛の余韻に浸りつつ枕を高くして寝ました。笑

翌日、朝食のBGMをかけるためにニヤニヤしつつ電源をON。

幸せのクリクリ。笑

復活一発目は光田康典さんのクロノトリガーサウンドトラック。

クロノクロスのサントラの方が圧倒的によくかけるのですが、朝ごはん時には「やすらぎの日々」がめちゃくちゃマッチするので。笑

ほんで喜びのツイートがバズりました。笑

取り外したスイッチを確認します。

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やはりラッチ機能が壊れています。

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分解しましたが、なぜラッチ機能が壊れたのかまでは特定できませんでした。

これにて終了です。

はっきり言って、素人が手を出したらダメですね。

メーカーか専門家に依頼されることを強くおすすめします。

そして、やっぱりPioneerいいですね。

Pioneer好きです。

サラウンドシステムもPioneerです。

というか音楽機材メーカー全般的に好きです。

学生時代にバンドをやっていて身近だったというのもあるかもしれません。

よろしければ他にもTwitterでバズった件の記事があるので読み捨てください。

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