注文書の色

家業に入った2009年からのことを考えると、たくさんの見積をして、たくさん注文を頂きました。

今でこそ、おかげさまで理念とか方針を考えながら働くことができていますが、入社してしばらくは、ただただ目の前の仕事をひたすら闇雲にこなしていく状態でした。

見積マシーンでしたね。笑

僕は、まだまだ製造業では経験が浅い方やと思いますが、思い返すと本当にたくさんの種類の仕事をやらせて頂いたなと思います。

みんなで頑張って作った真空チャンバーがNHKに映ったこともあるし、日本が世界と張り合うために作った日本に1つしかないものとか、ノーベル賞の受賞にちょびっとだけ貢献したものとか、これがないと関西エリアの方は困っちゃうんじゃないかな、というものとか、いろいろある。

ホンマは大きな声で言いたいけど、小さい声でも言ったらアカン仕事、たくさんあります。笑

下請けやねんから黙って手動かせ、という感じではなくて、本当に製造におけるパートナーとして一緒に、ものづくりさせてもらってるな、という実感もあります。

ただ逆に、たくさんの図面で仕事をさせて頂く中で、正直自社の方針にはあってないんじゃないか、とか、この注文を受けた先に、誰が幸せになるんやろう、とか思うこともありました。

なんというか。

注文書の色が違う。

失礼に当たるかもしれないけど、やりたくない仕事の注文書を受け取ったこともある。

実際、僕も専務も仕事をする中で、色々なものを犠牲にして売上に変えてきた部分もあります。

こう書くと、家族経営なんてそんなもんや、当たり前のことをええかっこして書くなと言われそうですが、それで成り立ってる経済なんて、たかが知れてると思うんですよね。

未来が無い。

そんな状態に頼ることなく経済が成長している国、あるんちゃうかなと思う。

過去の栄光にすがっても、未来は開けないんですよね。

残念ながら。

小企業、零細企業では、家族経営者が身を削って仕事をこなしているとこもたくさんあるのを知ってます。

やから、国も企業も人間も、変わっていかんとあかん。

会社としても、お客さんに、おんぶに抱っこやと、依存してしまう。

依存すると、良い関係、メリハリのある関係を維持するのは難しくなります。

お互いに依存しないためには、お互いに研鑽を積み続けることが大事やと思ってます。

依存することがお客さんへの忠誠を誓っているかのような時代があったかもしれませんが、今は下請けを引き連れてまるごと養っていけるような、体力と気概の揃った企業は少ないと思います。

忠誠を誓って会社を潰してしまったら何にもならないですよ。

忠臣蔵やないねんから。笑

そんなことお客さんも求めてないと思うんですよね。

最近は、ウェブサイト経由で新しいお客さんと出会うことが多くなっているので、社員も気持ちよく製作させてもらう仕事が多くなりました。

より新しい知識を得る機会にも繋がっています。

品質管理とか、細かい仕様や書類作成への対応は増えました。

そういう意味では、きっちり対応していくのは大変になっているかもしれません。

ただ、大きな付加価値や利益率を狙って、少ない時間で大きな価値を生み出そうとすると、今の状態は自然なことやと思っています。

営業部も頑張ってくれていて、何年か前の状態では、とても対応できてないと思います。

それに、どこにでもできる仕事は、やらない、というのは、僕が会社を継ぐ前から変わってません。

先日は、インターネットを通じて、宇宙に関するお仕事をお手伝いさせて頂くことが決まりました。

本当にすごい会社さんで、とても光栄なことです。

頂いた注文書は、宇宙に輝く星の色に見えましたよ。

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