外見と中身

町工場の経営をするにあたって、気をつけていることがあります。

背伸びするのも時には大事なんですが、虚勢を張らないというか、無駄にかっこつけない、というか、まあ関西で「ええかっこしい」という言葉があるのですが、外見だけええかっこしない、ゆうことですね。

誰かを守るためには、時には「はったり」も大事ですし、背中で語りたい時には「無駄にかっこつける」ことも大事なんですが。

自分自身の姿と自分の会社の姿が重なって見える部分もあって、「見てくれ」で勝負してはいけない。

という自分への戒めみたいなものがあります。

思えば学生時代のコンプレックスの影響は大きいと思います。

まず背が低い。

顔がいいとか、背が高いとか、そういう男の子って、やっぱり女の子にモテるんですよ。

特に小学生の時とか、中学生の時とか、高校生の時とか、大学生の時とか、社会人なっても、…あ、ずっとですわ。笑

ようは見た目イケてる枠があるんですよね。

しかも、やらしい(いやらしい)ことに、見た目だけじゃなくて、中身もイケてる奴がおる。

かっこいいのにいいやつなんですよ。

キーーーッ!(ハンカチ噛んでます)

嫉妬しますよね。

そういう時は、「あいつは前世ミミズやったんや」「あいつは前世ゲジゲジね」「ちなみにあいつは足拭きマット」と思うようにしてます。

ミミズとかゲジゲジとか足拭きマットには失礼な話ですけど。

ある時気づきました。

そこで勝負してはいけない。

大怪我する、幸せなられへん、と。

じゃあ自分は何を武器に勝負したらいいんやろう、と思いました。

学生の時に「見た目を磨けば見た目が良い人が寄ってくる、中身を磨けば中身が良い人が寄ってくる」と言われて、ハッとしたこともあります。

その通りですよね。

自分の持ち味というか、そういうものを見つけると矜恃(きょうじ)がもてますよね。

矜恃って自信と誇りのことですけど、この言葉めっちゃ好きなんですよね。

劣等感に悩んだことがあるからこそ、人の気持ちとか考えるようになったと思います。

おかげさまで、今では背低くて良かった、とすら思っています。

足短いから、飛行機の中でエコノミー症候群にもなりにくいですし。笑

間違ったプライドも羞恥心も、どっかに置いてきましたので、知らないことは知らないと言うようにしています。

嘘をつくと後が大変ですし、ちょっと見栄はったところで、何の得もないです。

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。

とも言いますね。

企業も一緒です。

見た目イケてる枠、あります。

しかも、やらしいことに、見た目も中身もイケてる会社がある。

キーーーッ!(ハンカチ噛んでます)

町工場にも見事その枠に入ってはるところもありますが、ごく一握りやと思います。

そもそも「かっこよさ」の定義が違う。

別に門構えが立派とか、受付スペースに水流れてるとか、求められてない。

工場では、他の人ができない加工ができる、とかめっちゃかっこいいんですよ。

町工場で見た目綺麗に整えている会社は、ほぼ中身から先に充実させているように思います。

やから、ちゃんと中身と外見が揃ってる。

そもそも町工場って、見た目にかけるお金の余裕無いですから。

まずは機械と工具ないと始まらないですからね。

ちょっとした工夫で目を引くデザインにしている、っていうのは、それはそれでかっこいいですし、憧れますけどね。

最近気づくのは、儲かってそうな工場ほど、社員の健康安全にお金かけてそうやな、ってことでしょうか。

やっぱり中身が大事ですね。

ステンレスジョイントもtodoroも、中身で勝負できる組織を目指していきます。

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