町工場の決算と賞与

いわゆる勤め人を1年しかしなかったので、ほとんどちゃんとボーナスというものを貰ったことがないのですが、新入社員時代に貰ったボーナスのことは、とても覚えてます。

社長さんはみんな、貰う側から出す側になった、なんて冗談を言ったりしますね。

厳密には、ちょっとちゃうんですけどね。笑

感覚としてはわかる部分もあります。

賞与について、社員にも話したんですが、ちょっと書きます。

ほぼ社員に説明した話の丸写しです。笑

言うまでもなく、決算と賞与は密接な関係があります。

決算が悪いと本来ボーナスには回せないですから。

僕は、決算が終わると、取引金融機関さんに決算書を一斉に送付するんですが、その後コンタクトがあった担当者の方には、決算コメントという名前でA4一枚にまとめた書類を30分くらいで作成してお送りしています。

グラフすら無い本当に簡単なものです。

面談の予定があれば、それを事前に送っておいて、少し時間をおいてから面談に入るようにします。

メモを取る手間も省けて、目と耳から同時に情報が入り、後で内容が残るので喜ばれている気がします。

たぶん。笑

今回はウェブ面談もあったんですが、お互い余裕が生まれると感情もプラスに動きやすいですよね。

ただでさえ慣れないウェブ面談やと、パソコンの操作とかマイクの調子とかに気を取られがちですから。

顔を見る時間が増えて親近感の向上にも繋がるかなと思います。

コメントの内容としては、売上、利益、その他、と、とてもザックリの3部構成にしました。

売上については、近年の売上に対してどういう数値で、大きな流れはどうなってるのかを書きました。

利益に対しても似たような形で、なぜそういう利益になっているかを軽く分析しました。

その他というのは、ちょっと見栄えも気にしてアピールポイント的な形に書きましたが、事実を中心に書くのがポイントで、ほぼ数字に終始する方が齟齬が生まれにくいです。

情報の非対称性といって、これは大学で覚えた数少ない言葉なんですが、例えば缶コーヒー代にも表裏があって、一般消費者には仕入値や人件費など裏の情報は見えにくい。

でも販売をしている側からはその情報は見えている。

同じ100円でも販売者側と消費者側では同じではないわけです。

最近では、露骨な非対称性は忌避される傾向が強いです。

SNSの投稿なんかが、まさにそうで、え、いじってるやん、というのが嫌われる。

食品とか景色とかそうなんですが、SNSで見て、ええなと思って買った、行ったのに、現物は全然違ったら残念ですよね。

やから、嫌われるんやと思います。

盛るだけ盛っとけ、という時代があったように思いますが、今は逆です。

ちょっと調べたらわかるわけですから。

どうせばれるんですよ。

無加工写真は再現性が高く実物との齟齬を生みにくい。

人間関係も同じです。

法人取引も同じですよね。

僕は仕事でも仕事以外でも、ありのままでいる、という姿勢を大事にしてますが、その姿勢にも繋がってます。

その他の部分には、ステンレスジョイントでいうと、ウェブサイト経由での新規受注が好調なので、それを数値で書きました。

売上に占めるウェブサイト経由受注の割合でいうと、2019年7月期2.1%、2020年7月期13.0%、2021年7月期 16.5%と順調に上がっていっています。

あとはSEOを自社でやっていますよ、とか、高付加価値化が見込まれる真空チャンバーをメインに受注活動をしてますよ、とか、これで検索したらGoogleで1位ですよ、とかを書きました。

賞与の話なんですが、ボーナスの支給日には、朝礼で使っている大きめのディスプレイを使って、社員に業績と方向性を説明しています。

また、2017年から業績による増額分を大入手当として見える化して一律支給しています。

これが誕生した経緯なんですが、以前は業績変動分も一括で支給してたんですが、こうすると減った時に不満に思った社員がいたんですよね。

減ってるけど、って。笑

それ言い出されたら、増やせないじゃないですか。笑

それはお互い不幸ですよね。

やから見える化しました。

大入手当はゼロになることもあります。

理由が見えてるので残念に思うことはあっても不満になることはないと信じてます。笑

たぶん大丈夫。笑

おそらく。笑

小入手当なんていうのが出ることもあります。笑

まあシャレなんですが、額は少なくともニッコリ受け取って欲しいわけですよ。

賞与は大入手当も含めて、当然就業規則で決まっている支給対象者にしか支給されないんですが、この辺は、ホンマにきっちり規定した方がいいですね。

過去にウチもルールが無いことで運営上難儀したんです。

ルールがないと不平不満につながります。

今回は、実務的には、あまり忙しくなかったんですが、数値として利益が多く上がっているので過去最大の大入手当を出しました。

額としては、前の過去最高の2倍ですね。

残業が少ない分の足しにしてもらえたらなと思います。

この大入手当というのは、支給対象に人全員に同額を支給してます。

連帯責任、という言葉がありますが、逆のイメージです。

業績が上がるって、おもろい。

ということを体感してほしいんですよね。

いわゆるインセンティブですが、結局ボーナスが一番わかりやすいと思います。

少ない時間で多くの付加価値を生み出すと、給料が多く休みも多い、という状況を生み出せる。

これって全員の協力が不可欠なんですよね。

それは社長の仕事や、と思わずに各々ができる最高の仕事を考えてほしい。

今の自分に満足せずに昨日より今日、今日より明日と自分を引き上げていってほしい。

足を引っ張るようなことがあると、自分に自信をもてなくなりますよね。

やから、そうならないように、仕事をこなす、自信につながる、仕事をこなす、自信につながる、のサイクルを回してほしい。

赤字でもボーナスが出るのは、決して良い状態、良い会社ではないんちゃうかな、と思ってます。

赤字でもボーナスが出ると、会社が赤字であろうが黒字であろうが、自分には関係ない、という思想に繋がってしまう。

頑張ったところで手取りには反映されない、に繋がってしまう。

なあなあになる。

そもそも赤字の状態が会社としてはアウトなので、どちらにしても安定して利益がたくさん出るような会社にする必要があるんですけどね。笑

僕は会社を船に例えることがありますが、方向性を考えたり、みんなの調和をとったり、責任を取るのは船長の仕事であっても、船は一人では動かないんですよね。

見張り係もいれば、飯炊係もいるわけです。

飯炊係をバカにするようなことがあれば、飯を食う資格を失うんですよ。

仕事に貴賎は無い。

給料と同じように大事なものに休みがありますね。

休みというのは休日と休暇です。

有給休暇の消化率についても話をしました。

直近の会社のみんなの平均は83.6%でした。

厚生労働省の2020年の調査によると、従業員30人以上の企業4013社を対象に調査をして、平均56.6%だそうなので、悪くはない数値やとは思います。

ただ、ウチは年間休日が105日とそんなに多くないので、それは加味する必要があります。

僕が社長になってすぐに年間休日90日から105日にしたんですが、またその辺も考えていかなあかんなと思います。(※2022年に110日にしました。)

ちなみに日数でいうと、平均14.17日でした。

ホンマは平日も使って使い切ってほしいんですけどね。

町工場では、製造にばっかり意識が行きがちで、労務関係は、等閑(なおざり)にしがちです。

その辺も力を入れると、工場として調和のとれた丸い感じになるかなと思います。

丸は図形として完璧な状態を示しますからね。

角も立たんし。

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