僕の周りには色んな人がいます。
僕は運に関してはバランスの悪い人間やと思ってまして、車線変更すると混むし、並んだレジは1番遅いし、畳んであるパジャマのセットからズボンやと思って取ったら、たいてい上着側なんですけど、人との出会いに関しては運がいいんです。笑
家族、幼なじみ、友達、同期、社員のみんな、お客さん、取引先の担当者さん、幸せなことに、とても魅力溢れる人に恵まれているんですよね。
中には、特に人間力というか、人としてすごく良いなあという人がいます。
滋味(じみ)というか、人間としての深みをもっているんです。
地味ちゃいますよ。笑
怒られますわ。笑
おかん(母親)の手料理、みたいな感じでしょうか。
おかんの料理って、見た目の派手さも無く、味も薄味なので、子供のころはあまり好きではありませんでした。
小学生くらいでしょうか、晩ご飯のメインのおかずが風呂吹き大根で、自分まだ成長期やど、と文句ゆうて怒りだしたこともあります。笑
柚味噌で白ごはんは難易度高い。笑
でもそういうおかずって、大人なってから食べると、こんなに美味しかったんか、とびっくりしますし、そこそこ値段のする料理屋さんに行って出てくる小鉢が似たような味やったりします。
日本酒にも合いますしね。笑
大根のたいたんと日本酒。
いいですね。
贅沢ですね。
たいたん、と書くと伝説の巨人みたいですね。笑
炊いたやつ、炊いたもの、という意味です。
おばんざい、なんかそうですが、野菜をたくさん使うと、すごく栄養があって、胃ももたれない。
料理人がお金をかけて作るということは、料理人の時間とかノウハウがコストになってるということですね。
保護者が手間と時間をかけて、料理することと、方向は違えど、かなり近いと思います。
長い時間、心に残る料理、というのは、大事やな、と思います。
派手な味はすぐ飽きますから、毎日は食べられないですからね。
その人の心に入っていく、というのは悪く言うと洗脳ですが、相手に自分のことをわかってもらったり、長く諍(いさか)いを起こさずに付き合っていくためには、すごく大事なことですからね。
僕も縁(ゆかり)がありますが、京都の人はこのあたり、とても上手です。
本能的に争いを嫌う、というのもあると思います。
戦火が少なかったことも、それを証明していますよね。
京の町をみんなで守らんとあかん、という意識が強いのかもしれません。
弁護士の竹下義樹さんが著書の中で、京都での活動が無ければ、日本で初めての全盲の弁護士になることは難しかったと書いています。
文化を作って、それを守っていく、というところに半端ではない執念と執着があるように感じます。
固執とか、拘泥とかいうレベルですよね。
京都は関西でもトップの、朝食がパン食である率が高い地域だそうで、徒(いたずら)に古いものがいいとされる、というわけではなさそうです。
閑話休題。
お客さんの中にも魅力的な人が、たくさんいます。
年齢もバラバラで、年下の方から20も30も上の方もいます。
すごく魅力的なお客さんは、やり取りの中で、どんな行動をされてるかなと考えてみます。
相手に尊重がある、話が早い、ものづくりに理解がある、当事者意識がある、自分の製品に愛着をもっている、仕事が早い、そしてユーモアがあるんですよね。
なぜか、上に書いているどれか1つをもってはる、ということは稀(まれ)で、たいていほぼ全部もってはります。
そして、口数が多いか少ないか、は関係ないんですよね。
口数が少なくてもユーモアのある方、たくさんおられます。
僕は職人から、社長は口から先に生まれたもんな、と言われるくらい、ようしゃべりますけどね。笑
最近は、ようしゃべるだけでなく、よう書きます。
文字でも黙ってられないんでしょうね。笑
病気ですわ。笑
人間としてすごく味のある方と仕事をすると、製作の効率もいいし、一緒に仕事させて頂いて楽しいし、もう金額はどうでもええかな、となることもあります。
確実に、それだけ製品の品質は上がりますからね。
実際、以前大変お世話になった方から製作の依頼があり、見積額が軽自動車の新車買えるくらいやったんですが、もうタダでええですよ、ゆうたんですよ。笑
いや、さすがにそれはマズいと返されてしまいました。笑
僕は割と本気やったんですけどね。笑
逆にタダでやってくれ、と言われたら、倍頂きますけどね。笑
天邪鬼なんで。笑
冗談はさておき、小さい企業は特に、金額以外のことを、かなり見ながら仕事をしています。
時として、お金より大事なものがある、ということですね。
おそらく人間力、ひいて工場力を磨けば、金額は後からついてくる、つまり適正な価格に落ち着いてくるんかな、と思います。