NOVID!

NOVIDとは新型コロナウイルス(COVID-19)にNOをつきつける、という意味の造語です。

2021年8月、自社でPCR検査陽性者が出ました。

詳しい検査をした結果、最終的な陽性診断者は3名となりました。

会社としては、2020年4月8日に対応についてウェブサイトで公表しているんですが、社員はみんな気をつけて、それこそ修行のような我慢をする生活をしていました。

それでも陽性者が実際に自社で出た、ということは驚きましたし、重く受け止めています。

世界的な猛威の中、再度陽性者が発生することも視野に入れておかないとダメだと思っています。

少しでも何かの役に立てばと思い、参考程度に備忘録に記載しておきます。

感染症に対する内容としては、ど素人が書いていますので、あまり役に立たないかもしれません。

ただ、小規模企業の実態という意味では、当事者なので当然痛いほど実情を理解しているつもりです。

人不足の中で後悔をしないよう、何ができるのか、考えながらやってるつもりです。

陽性者が出た後、社内で異なる部門から僕と専務を含んで5名、対策チームを発足しました。

その名もチームNOVID。笑

あえて立場や考え方の異なる人選をしました。

一方的に決めてしまえるようじゃ、議論する意味がない。

答えが無いからこそ、たくさんの考え方をぶつけて、100点に近づきたいと思っています。

発行する社内報はNOVID通信です。笑

感染症に対する基礎知識もみんな持ち合わせてないし、不安や不満を解消するためにも情報共有はとても大切で、自社が得意にしていることでもあります。

情報共有が大切というのは社外に対しても同様で、当然個人情報が載らないようにしていますが、原則として状況の概要をウェブサイト、SNSで公開しました。

これは、お客様、取引先との情報共有による信頼関係の維持のためです。

ただ、もちろん全ての取引先に電話することなど不可能なので、陽性診断者の接触の可能性のレベルにより、個別に電話したり、メールしたり、というように対応する基準は設けました。

NOVID通信は、現時点で5回発行しており、2165字、1403字、3373字、1908字、955字と、それなりに内容を詰めて発行しています。

知っている人からすると何のことはない当たり前のことでも、会社には年齢も仕事内容も家庭環境も全く異なる人が集まっています。

一番事情を理解していない人の底上げのようなことが有意義やと思っています。

知っている人からしても復習になります。

一部内容を抜粋します。

いや、もう今からページ閉じるねん、という人は、人は何が起きてるかを知るだけで少し冷静になれる、ということだけは知っておいてほしいです。笑

繰り返しますが、当たり前のことほど、それを把握していない人がいれば、それが穴になって、相手に付け入る隙を与えてしまいます。

やから、底上げは重要。

そんな低いレベルの対策してんの、と感じる人もいれば、そこまで大変なことようやるな、という人もいると思います。

少なくとも自社では、今実際にやっていることを、陽性者が出る前にやろうとしていれば、反発があったと思います。

でも、今となっては、社員みんながこれくらいやって当然と考えていると思います。

陽性者が出た会社やからこそ言えることもあると思っています。

最終的には、部分的に自己責任でいくという判断も含めて、方向性を責任者が決定するのは大事や思います。

基礎知識編。

・ウイルスは、目、鼻、口から入る、ということと、「飛沫」を再度意識する。

・話すときは現場でもマスクを鼻までする。

・原則として、現場で一人でいるときのみマスクが外せる(暑さによる熱中症等、別の病気を防ぐため)、と考える。

・着替え中もマスクをする。

・自分は距離を取りたいのに、相手が近づいてくる、という可能性を考える。

・ガム、コーヒー、水分補給、たばこなど、食事以外でもマスクが外れるタイミングに注意する。

・ガムボトル等は、人の飛沫がかからない場所(箱、引き出しの中)にしまう。

・休憩時間も、マスクをせずに何か飲みながら話すことは極力控える。 (各自で水分を取った後マスクをしてから合流する)

・更衣中の会話はできるだけ控え速やかに着替える。

・スイッチ、ドア等も可能な限り手の甲、指の背、肘を使い、指の腹を使うことを少なくする。(現場に実際にやっている写真を掲示)

・各々が考えてやっている工夫をバカにするようなことはないようにする。(接触の総量が減ることは全員にメリットがある)

・食事は原則として一人で、会話をせずに行う。

・何か口に運ぶ直前には小分けアルコールを使って、手指消毒を行う。

自社の取り組み編。

・全員に小分けのアルコールボトルを配布。

・アルコールボトルは任意のときにいつでも使用できるよう通勤退勤時を含め持ち歩き可能とする。

・小分けアルコールボトルの補充は会社のアルコールを自由に使用する。

・パーティションを増設する。

・しばらく朝礼実施を控え、書面やディスプレイ等、別の形で情報共有を行う。

・随時、社内陽性者の状況を共有する。

・社外との対面打合せを、できるだけ控える。

・体温を含む体調チェックシートを継続する。(自社では2020年4月から毎日実施)

・社内の何箇所かに、機械のボタン等にも使えるよう消毒用アルコールボトルを設置。

・ワクチン接種日は勤務をしなくても有給(有給休暇を消費しない)とする。

・わからない人へワクチン接種の予約作業のサポート。

・ワクチン接種の予約作業は、業務時間内に行ってもいいこととする。

・歯磨き、うがいを原則禁止(ケガの対応等を除く)し、イラストにて掲示する。

心理ケア編。

・陽性の人への言動に対する配慮について

自身の感染との戦いでの疲弊だけではなく、家庭内感染などによる心理的な憔悴もあります。

そもそも感染症自体に対して、陽性と診断された人には責任もないため、くれぐれも周りの社員の言動などについては留意するようにします。

諸情報編。

・消毒用アルコールについて

アルコールには複数の種類があることに注意します。

メタノール(メチルアルコール)…工業用。劇物です。製品の洗浄に使用します。 口に入れることはできません。

エタノール(エチルアルコール)…消毒用。医療用にも使われます。消毒用として市販されているものは口に入っても健康には問題ありません。いわゆるお酒もこちらです。

また、エタノールであっても、60%以上95%以下の濃度のものが、新型コロナウイルスに対して有効とされています。(経済産業省による)

無水エタノール(ほぼ100%)も消毒には向いていません。

無水エタノールは水で薄めると消毒用として使用できます。

家庭で購入する際も留意してください。

アルコールの混在を避けるため、アルコールの種類により、消毒用などと、ラベル(テプラ等)にて識別します。

・エアロゾル感染について

エアロゾルというのは簡単に書くと、飛沫の水分が蒸発した後そこに残ったウイルスなどのことです。

目には見えない粉のようなものがそこに残っているとイメージしてください。

エアロゾル感染というのは、その見えない粉を誰かが触って、間接的に誰かの口 などに入れば、感染してしまう、ということです。

現在の新型コロナウイルスは、エアロゾル感染もするのではないか、ということが疑われています。

対策としては、先日から喚起している飛沫感染に対する対策がエアロゾル感染に対する対策にもつながりますので、そういうものがある、ということを頭に入れておいてもらうようにします。

・濃厚接触者の定義について

厚生労働省のウェブサイトの内容を使用しました。

内容を社内用のフォームに転記して、フォントと文字サイズを整えるだけでも、社員が読む確率は上がります。

各個別のケースにより一貫性がないように思えることはあったとしても、会社としては、行政の決定には従わざるを得ないです。

社員も、保健所からどういう内容の連絡があったかは気になるため、内容をそのまま社内で展開するようにしました。

・PCR検査について

家庭の事情なんかも社員により異なるため、受ける受けない一つとっても、考え方もいろいろあります。

社内で議論することをおすすめします。

・ワクチンについて
各自治体発表分や個別の病院で予約ができる分などがあり、自治体によっても異なるため、各自で確認をするようにしてください。

自社では業務時間内に予約の時間が来る場合は、業務をその時だけ中断して各自のスマホ で予約作業をしてもらっていいことにしています。

予約作業がわからない人はスマホと自治体から送られてくる郵便物をもってきて、会社でサポートするようにしています。

・ワクチンのウェブサイト予約のコツ

一度ログインのテストをして、どんな感じでログインするのか確認しておく。

予約受付開始日、時刻をまえもって確認しておく。予約の対象日と、その日の 予定も確認しておく。

例)8/30 12:30 に9/3,4,5の予約分が受付開始となる。

→8/30 12:30 にスマホを触れるようにしておく。9/3,4,5の予定を確認しておく。

当日の予約開始5分前くらいまでに(不慣れな人は10~15分くらい前までに)ログインする。

画面の更新(リロード)をすると、どの画面まで戻されるか、を確認しておく。

当日の予約開始の時刻(電波時計での確認が望ましい)になった瞬間に画面を更新して、予約を進めます。1分も経てば、かなりの予約が埋まっていると思われます。

予約作業→(他の人と取り合いになり)取れませんでした→予約作業→(他の人と取り合いになり)取れませんでした、を、自分の予約が取れるか、すべての予約が埋まってしまうか、まで繰り返すことになります。

土日や日付の近い日から埋まる、という情報もあります。少し遠目の日付をあえて狙う、という作戦も有効かもしれません。

・休暇への考え方。

特に濃厚接触者に関しては、実質休みを強制されるにも関わらず、陽性診断者と同じような補償がありません。

安易な決定は、後に問題を残すため、こちらも社内で議論するのがいいと思われます。

・社内の内紛回避。

ストレスの負荷が大きくなった際には、社員同士の内紛、もめごと、も起こりがちになります。

不公平があると、強い不満につながります。

特に災害など困難な状況に立たされる時ほど、それぞれ立場も家庭の事情も異なるため、きっとわかってくれる、と考えるのは難しくなりがちです。

現実的に、物理的に、会社として実施可能なことを行なっていくのがいいと考えます。

この人はOK、この人はダメというような、えこひいきと見える対応は望ましくないです。

それであれば全員ダメ、の方がマシです。

・一度陽性となった人が復職する際のPCR検査について

保健所からの回答ですが、一度陽性と診断され、自宅療養等を行った人が仕事に復職する際は、コロナウイルスの死骸のようなものが体の中に残留していて、PCR検査をしても陽性と出るようです。

そのため、なぜPCR検査で陰性を確認したうえで会社に来ないんだ、という声があったとしても、このタイミングでのPCR検査に実質的な意味がないため、PCR検査にて陰性と診断されてからの社会復帰は現実的にできないということを共有するといいかと思います。

・自宅療養をしていた人が復帰した人の症状について

保健所によると、療養期間を終えても、咳が出ている場合などもありますが、保健所が指定した療養期間を超えている場合、他社への感染する力は無いとのことです。

そうは言っても不安だ、など、いろんな意見がありますが、会社としては原則として保健所の指示に従って出勤等の判断をするしかありません。

ただ、復帰する人としても、会社に残っていた人としても、お互い人間なので、心理的な側面を考えると (もちろん従来からの感染拡大防止という点でも)、復帰後も物理的な距離も取りつつ業務を行うに越したことはありません。

嫌われているわけではなく、双方にとって必要な処置である、ということを周知するようにしています。

また、仮に今は陰性と診断された人も陽性となった時には全く同じことが起こります。

他人ごとではありません。

みんな心理的にいろいろ負担を抱えており、それは何もコロナウイルスのことだけではありません。

双方が気持ちよくやり取りできるよう配慮が肝要かと思います。

・普段の体調チェックについて

今回の発症からの学びとして、普段からのわずかな変化や違和感で検査受診につながった、自己隔離ができた、ということが挙げられます。

自社でも2020年4月から体調チェックシートというリストで毎日の体温等をチェックしていますが、普段からチェックして遡れるようにしておくことは大切です。

・PCR検査の保険適用について
現在、PCR検査と呼ばれるものにも複数の種類があり、医療機関で受けるものと民間の検査センターで受けるものでも厳密には異なるようです。

医療機関で受ける際は、下記の場合に保険適用されることが明らかになっています。
・疑わしい症状が発生している場合。
・保健所より濃厚接触者と指定された場合。(ただし、医師の判断により無症状であれば受診できないケースがあります)
・民間の検査センターで陽性の結果が出た場合。(ただし、医師の判断によって対応が変わる可能性があります)

・情報提供について
無症状者に対するPCR検査、小児用PCR、各家庭の事情など、調べたり、話してもらったりしないと情報が集まりません。

社員から情報を提供してもらえると責任者側、運営側としても助かります。

ほとんどの会社の責任者が感染症のプロではなく、責任者もスマホでググるしかないんじゃないでしょうか。

そうなると多くの人数で調べられる方が情報が早く多く集まります。

責任者は、お礼を言ってありがたく判断材料に使わせてもらったらいいと思います。

・不満や不平について

一見、不満や不平に見えることでも、何かの解決の糸口になる場合があるのと、溜まると爆発するので、社内で広く集めて、展開して、共有していくことが大事と考えます。

・教育現場での感染拡大について
幼稚園、小学校、中学校、高校では2学期が始まりました。

報道でも既に伝えらえている通り、とても痛ましいことながら、児童や生徒を媒介として、これからも感染拡大が進むことが危惧されています。

児童や生徒が感染者になることに加え、その同居の家族が濃厚接触者になることにより社会機能が麻痺することも懸念されています。

おそらく起こるだろうとわかっていながら、根本的な対策の立案は極めて困難な状況です。

ばばっと書きましたが、現状で、一人一人が、今できる対策をやっていくしかないと思われます。

一刻も早い収束を祈ります。

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