いつ読んだか忘れました。
少なくとも2014年以前です。
三島由紀夫さんの本は、変幻自在というか、読む本ごとに同じ著者とは思えない読み心地があります。
なんかの本で本人書かれてましたけど、タッチというか、そういうものをわざと変えているようですね。
この本、なんちゅう瑞々しさなんやろか、と思います。
1954年に書かれた小説やのに、ポカリスエットのCMよりも瑞々しい。笑
角野栄子さんの「魔女の宅急便」みたいに甘酸っぱい。笑
お菓子でゆうたら、PUREグミのよう。笑
普遍的なものが書かれたものは古くならないです。
小説の良いところは、読み手の勝手な都合で、頭の中で映像化できることです。
自由なんですよね。
映画やと、こうはいかない。
キャスティング自体の良し悪しや、演出や演技や演者の好みも手伝って、良くも悪くも色んな色がつく。
原作の純度は下がります。
下げないように意図しても、化合物である限り必ず下がります。
ちょっとマニアックな話になりますが、アルミという金属は純度が高いとすごく柔らかいんです。
その代わり、電導性とか耐食性は比較的高い。
ジュラルミンといって、航空機に使われるような合金になると、とても硬くなるんですが、耐食性は下がるんです。
動物も植物も交配が進むと、一般的に病気に強くなるそうです。
その代わり、種として本来もっていた機能は、だんだん失われるということです。
…失われる物語。
違うか。笑
良い本に出会うと、原作の純然たる姿を堪能するには、やっぱり原作に触れるべき、と思わせてもらえます。
ただ逆に、映画によって加わる調味料が、さらなる昇華を促す場合もある。
この辺りは結果論になるんやと思います。
映画も好きなんです。
監督、脚本家、出演者、裏方さん、製作者達の血と汗と涙が感じられるからです。
時をかける少女なんかは、実写映画は見てないんですが、原作もアニメ映画も良いですよね。
調べたら実写映画の公開は1983年なんですね。
僕生まれてないです。笑
自分の好きな本が映画化されることも多いですが、その場合は映画は見ないことが多いです。
漫画化された小説が話題になった時に、原作の本を読んで漫画は見ないこともあります。
本にしろ、映画にしろ、絵画にしろ、漫画にしろ、人が本気になって、いろいろな犠牲のうえでなんとか生み出したものを、手軽に味わうことができる、というのは幸せなことです。
相性もある。
いいものはいい。